前週の防衛省・自衛隊の動きをチェックできる週報記事を毎週月曜日の通勤・通学時間にお届けします。

2021年9月24日(金)

水機団が水陸両用部隊の日英専門家交流を実施

 ◯陸上総隊水陸機動団は9月21日から24日の間、相浦駐屯地(長崎)などに英国海兵隊員1人を受け入れ、日英水陸両用専門家交流を実施した。

 日英の隊員は、今後の両国の水陸両用部隊間の防衛協力・交流について意見を交換するなどし、同分野における協力関係を一層深めていくことで一致した。

画像: 水機団が水陸両用部隊の日英専門家交流を実施
画像: 陸上自衛隊ツイッターより
陸上自衛隊ツイッターより

中国海軍の艦艇を宮古島沖で確認

 ◯海上自衛隊は午前9時ごろ、宮古島の南約85kmの海域を北東進する中国海軍ジャンカイⅡ級フリゲート1隻を確認した。その後、当該艦艇は沖縄本島と宮古島との間の海域を北上し、東シナ海へ向けて航行した。

 防衛省・自衛隊は、海上自衛隊第5航空群(那覇)所属のP3C哨戒機、第46掃海隊(沖縄)所属の掃海艇「ししじま」により、所要の情報収集・警戒監視を行った。

画像: ジャンカイⅡ級フリゲート(548) 統合幕僚監部 報道発表資料より

ジャンカイⅡ級フリゲート(548)

統合幕僚監部 報道発表資料より

海自がインド洋でドイツ海軍と共同訓練

 ◯海上自衛隊のインド太平洋方面派遣(IPD21)部隊は、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、ドイツ海軍と共同訓練を実施した。海自の戦術技量の向上とドイツ海軍との連携強化が目的。

 訓練はインド洋東方で実施され、海自から護衛艦「かが」「むらさめ」、ドイツ海軍からフリゲート「バイエルン」が参加し、各種戦術訓練を行った。

画像1: 海自がインド洋でドイツ海軍と共同訓練
画像2: 海自がインド洋でドイツ海軍と共同訓練
画像3: 海自がインド洋でドイツ海軍と共同訓練
画像: 海上自衛隊自衛艦隊ツイッターより
海上自衛隊自衛艦隊ツイッターより

空自が東シナ海で米空軍と共同訓練

 ◯航空自衛隊は、日米同盟の抑止力・対処力を強化すべく、那覇北西の東シナ海の空域で米軍との共同訓練を実施した。航空自衛隊の戦術技量と日米共同対処能力の向上が目的。

 航空自衛隊から第9航空団(那覇)のF15戦闘機×2機、米空軍からB52戦略爆撃機×1機、米海兵隊からF35B戦闘機×2機が参加し、要撃戦闘訓練を実施した。

画像1: 防衛省・自衛隊ツイッターより
防衛省・自衛隊ツイッターより

ワクチン接種年齢を16歳以上に引き下げ

 ◯防衛省は、中山泰秀防衛副大臣(大規模接種対策本部長)の下、第14回大規模接種対策本部会議を開き、自衛隊大規模接種センターの接種対象者の年齢の引き下げについて議論を行った。

画像: 大規模接種対策本部会議に臨む中山防衛副大臣 防衛省・自衛隊ホームページより

大規模接種対策本部会議に臨む中山防衛副大臣

防衛省・自衛隊ホームページより

 会議では、新規陽性者に占める若年層の割合が高い現状を踏まえ、若年層への対応について検討。その結果、保護者の同伴の必要がない16歳以上に接種年齢を引き下げることを決定した。

 防衛省は「16歳、17歳を含む高校生世代は、成人層と比較して副反応の発生率が高いことから、副反応について本人に対して丁寧に説明する必要があることなどに留意し、既存の接種対象者とは別に対応する」としている。

画像: ワクチン接種年齢の引き下げを発表する中山防衛副大臣 防衛省・自衛隊ホームページより

ワクチン接種年齢の引き下げを発表する中山防衛副大臣

防衛省・自衛隊ホームページより

2021年9月25日(土)

日米豪印(クアッド)が首脳会合定例化

 ◯菅義偉首相は日本時間の25日午前、米ワシントンのホワイトハウスで開かれた日本、米国、オーストラリア、インド4カ国(クアッド)の首脳会合に出席した。

 4カ国の首脳は、新型コロナウイルス対策に加え、インフラ整備や宇宙などの分野で協力を拡大することで一致。共同声明を発表するとともに、今後は首脳会合を定例化し、毎年開催することを確認した。

 菅首相は「4カ国の強い結束と、『自由で開かれたインド太平洋』という共通のビジョンへの揺るぎのないコミットメントを示すものだ」と述べた。

画像: 会合に参加した日米豪印4カ国の首脳 首相官邸ツイッターより

会合に参加した日米豪印4カ国の首脳

首相官邸ツイッターより
画像: 会合の様子 首相官邸ツイッターより

会合の様子

首相官邸ツイッターより

 会合の様子は、首相官邸が動画で公開している。

Twitter: @i tweet

twitter.com

2021年9月26日(日)

大規模接種センター、再び1回目接種期間に

 ◯自衛隊が東京と大阪で運営する新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターは、開設期間を2カ月延長し、再び1回目接種を実施する期間に入った。

 米モデルナ製ワクチンを使用し、1日あたり東京会場で1万人、大阪会場5000人に対応する。

 防衛省は、センターの開設期間を11月30日までと決めており、10月24日以降の約1カ月は、再開した1回目接種を同センターで受けた人への2回目接種を行う。

2021年9月27日(月)

山崎統幕長がグリーン駐日米臨時代理大使と懇談

 ◯山崎幸二統合幕僚長は、グリーン駐日米国臨時代理大使と懇談した。

 懇談では、臨時代理大使への就任を祝うとともに、60年余の歴史を刻む強固な日米の絆に基づき、今後もあらゆる面で両国の連携を強化していくことで一致した。

画像: 山崎統幕長がグリーン駐日米臨時代理大使と懇談
画像: 統合幕僚監部ツイッターより
統合幕僚監部ツイッターより

衛星コンステレーションの活用を議論

 ◯防衛省・自衛隊は、衛星コンステレーションに関するタスクフォース(議長:中山防衛副大臣)を立ち上げ、初めて会合を開いた。コンステレーション(constellation)は、「星座」を指す単語で、多数の通信衛星を協調させて機能させるシステムを「通信衛星コンステレーション」と言う。

 会合では、変則軌道を描く高速ミサイルを宇宙から探知・追尾するための利用などについて活発な議論が行われ、防衛省・自衛隊として衛星コンステレーションを積極的に活用していくことが決まった。

画像: 防衛省・自衛隊ホームページより
防衛省・自衛隊ホームページより

若年層のワクチン接種を推進

 ◯防衛省は、9月20日(月)から9月27日(日)までに自衛隊が大規模接種センターで実施した新型コロナウイルスワクチンの接種回数を発表した。東京は6万1371回、大阪は3万361回。東京、大阪とも40歳以上への接種回数は落ち着いてきているが、4日からは新たに接種対象になった16、17歳を含む若年層への接種がスタートする。

画像2: 防衛省・自衛隊ツイッターより
防衛省・自衛隊ツイッターより

2021年9月28日(火)

北朝鮮、「弾道ミサイル発射の可能性」

 ◯防衛省は午後1時50分、「28日6時38分ごろ、北朝鮮の内陸部から1発の弾道ミサイルの可能性があるものが東方向に発射された」と発表した。

 防衛省は政府内や関係機関に速やかに情報を共有。菅義偉首相から、①情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対して迅速・的確な情報提供を行うこと ②航空機、船舶等の安全確認を徹底すること ③不測の事態に備え、万全の態勢をとること、の3点について指示があった。

 岸防衛大臣は「引き続き、情報収集・警戒監視に万全を期せ」との指示を出し、その後、関係幹部会議を開催するなど、対応に万全を期した。

陸自がフィリピン海兵隊と災害救助など訓練

 ◯陸上自衛隊は、フィリピンで実施される米比共同訓練(カマンダグ21)の訓練開始式に参加した。

画像: 訓練開始式の様子 陸上自衛隊ツイッターより

訓練開始式の様子

陸上自衛隊ツイッターより

 訓練は、陸上総隊司令官の前田忠男陸将を担任官とし、10月8日まで実際される予定。水陸機動団(相浦駐屯地)が参加し、フィリピン海兵隊と人命救助システムを活用した災害救助活動、患者後送などを訓練する。

 また、「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化に向け、日比間の相互理解の増進と連携の強化を図る。

回転翼哨戒機(能力向上型)2機が納入

 ◯防衛省は現在、海上自衛隊が保有するSH60Kをベースとする回転翼哨戒機(能力向上型)の開発に取り組んでおり、この日、製造会社である三菱重工業による飛行試験が終了した試作機2機が防衛省に納入された。

 試作機の性能確認試験は、海上自衛隊厚木航空基地において行われている。

画像: 回転翼哨戒機(能力向上型) 防衛省発表資料より

回転翼哨戒機(能力向上型)

防衛省発表資料より
全長19.8m
全幅16.4m
全高5.4m
エンジンT700-IHI-401C2 × 2基
主要諸元

岸防衛相 体調不良で公務取りやめ

 ◯岸信夫防衛相は28日、体調不良により、すべての公務を取りやめた。

 防衛省によると27日夜に発熱。28日に病院で検査を行い、尿路感染症と診断された。同日午前の閣議を欠席し、定例の記者会見も中止した。

 今後は療養し、体調が回復次第、公務に復帰する。防衛省は、「北朝鮮が発射したとみられるミサイルへの対応など、必要な指示は出している」としている。

2021年9月29日(水)

海事がインド洋で米海軍と共同訓練

 ◯海上自衛隊のインド太平洋方面派遣(IPD21)部隊は、日米同盟の抑止力・対処力を強化すべく、インド洋東方で米海軍と共同訓練を実施した。海自の戦術技量と米海軍との相互運用性の向上が目的。

 海上自衛隊から護衛艦「かが」と「むらさめ」、米海軍から補給艦「ユーコン」が参加し、各種戦術訓練を実施した。

画像: 左から「ユーコン」、「かが」 海上自衛隊自衛艦隊ツイッターより

左から「ユーコン」、「かが」

海上自衛隊自衛艦隊ツイッターより

宗谷岬沖でロシアのミサイル巡洋艦を確認

 ◯海上自衛隊は午後1時ごろ、宗谷岬の北東約270kmの海域を南西進するロシア海軍スラバ級ミサイル巡洋艦1隻を確認した。その後、当該艦艇は宗谷海峡を西進し、日本海に向けて航行した。なお、当該艦艇は、9月19日(日)に宗谷岬の西北西海域で確認され、その後、宗谷海峡を東進したものと同一。

 防衛省・自衛隊は、海上自衛隊第2航空群(八戸)所属のP3C哨戒機、第1ミサイル艇隊(余市)所属のミサイル艇「わかたか」により、所要の情報収集・警戒監視を行った。

画像: スラバ級ミサイル巡洋艦(011) 統合幕僚監部 報道発表資料より

スラバ級ミサイル巡洋艦(011)

統合幕僚監部 報道発表資料より

国連PKOで「女性参画」をテーマにセミナー

 ◯防衛省・自衛隊は、国連PKOにおける女性・平和・安全保障(WPS)プラットフォームを活用した初の試みとして、オンラインセミナーを開催した。

 セミナーでは、国連PKO初の女性司令官として活躍したクリスティン・ランド少将(退役)をゲストスピーカーに迎え、「国際平和活動における女性の参画」をテーマに、拡大ASEAN国防相会議(ADMMプラス)参加国との意見交換を行い、WPSに対する理解を深めた。

画像: 左がクリスティン・ランド少将 防衛省・自衛隊ツイッターより

左がクリスティン・ランド少将

防衛省・自衛隊ツイッターより
画像: オンラインセミナーの様子 防衛省・自衛隊ツイッターより

オンラインセミナーの様子

防衛省・自衛隊ツイッターより

 防衛省・自衛隊は令和3年から3年間、ベトナム国防省とADMMプラスPKO専門家会合の共同議長を務め、国連PKOにおける女性・平和・安全保障の理解促進を活動目的の一つとして掲げている。

2021年9月30日(木)

米宇宙軍主催で宇宙に係る各種状況を机上演習

 ◯防衛省・自衛隊は29、30の両日、米宇宙軍主催の多国間机上演習「シュリーバー演習2021」に参加した。シュリーバー演習は、おおむね10年先の将来を想定した、宇宙における各種状況への対応について、戦略レベルから作戦レベルにわたる幅広い議論を行う多国間机上演習。

 演習はテレビ会議システムを利用して行われ、航空幕僚監部の8人のほか、統合幕僚監部、内部部局からも職員が参加。宇宙に関する各種事象への対応などを参加国とともに演練することにより、宇宙空間における米国をはじめとする各国との連携を強化し、宇宙に係る防衛力整備の資を得た。

 防衛省・自衛隊のほかに、国家安全保障局、内閣府、外務省からも職員が参加した。

画像: シュリーバー演習2021の参加者たち 航空自衛隊ツイッターより

シュリーバー演習2021の参加者たち

航空自衛隊ツイッターより

空自がフィリピン空軍に能力構築支援

 ◯航空自衛隊は、フィリピンに対する航空医学分野の能力構築支援を初めて実施した。

 支援はオンラインで東京、マニラ間をつなぎ実施。フィリピン空軍の17人に対し、航空幕僚監部の3人、航空自衛隊の12人が参加(ほかに防衛政策局から事務官付が2人参加)し、航空医学分野の専門家交流が行われた。

 航空自衛隊の有する航空医学や患者空輸に関する知見を共有したほか、フィリピンからも同様の説明があり、両国にとって有意義な交流となった。

画像: 空自がフィリピン空軍に能力構築支援
画像: 航空自衛隊ツイッターより
航空自衛隊ツイッターより

松川防衛政務官が豪で開催のウェビナーに出演

 ◯午前9~10時、オーストラリアのパース米アジアセンターで開催されたウェビナー(Webセミナー)に松川るい防衛政務官が出演し、地域の安全保障環境や「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化に向けた連携の重要性について説明した。

画像: 松川防衛政務官が豪で開催のウェビナーに出演
画像3: 防衛省・自衛隊ツイッターより
防衛省・自衛隊ツイッターより

2021年10月1日(金)

海自が武力攻撃事態想定し米と図上演習

 ◯海上自衛隊は9月28日から10月1日の間、海上作戦センターなどで令和3年度海上自衛隊演習(図上演習)を実施した。

 演習は日米共同で行い、平素から情勢緊迫時を経て武力攻撃事態に至るまでの情勢の推移に応じた上級指揮官の情勢判断、当該判断に基づく部隊運用要領などを演練。海自の任務遂行に必要な技量の向上と米軍との連携強化を図った。

 自衛艦隊司令官の湯浅秀樹海将が統裁官を務め、自衛艦隊、佐世保地方隊、システム通信隊群、海上自衛隊補給本部が米海軍、米海兵隊と図上演習を行った。

自衛隊体育学校のメダリストが岸防衛相を表敬

 ◯岸防衛大臣は、東京2020オリンピックに出場した自衛隊体育学校所属選手3人による表敬を受けた。

 訪問したのは、柔道女子78キロ級で金メダルを獲得した濵田尚里1陸尉(団体でも銀メダルを獲得)、レスリング男子フリースタイル65キロ級金メダルの乙黒拓斗2陸曹、ボクシング女子フライ級銅メダルの並木月海3陸曹。

 3選手がオリンピックに関するさまざまなサポートへのお礼を述べると、岸大臣はメダリストたちの活躍を称えた。

画像: 左から濱田1尉、並木3曹、岸防衛相、乙黒2曹

左から濱田1尉、並木3曹、岸防衛相、乙黒2曹

画像: 表敬を受ける岸防衛相

表敬を受ける岸防衛相

画像: 談笑する岸防衛相と自衛隊体育学校所属のメダリストたち いずれも防衛省・自衛隊ツイッターより

談笑する岸防衛相と自衛隊体育学校所属のメダリストたち

いずれも防衛省・自衛隊ツイッターより

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