自衛官の家族を取材し、「絆」をテーマにそれぞれの家族の歴史、自衛隊との関わりを紹介する新企画。満を持してお届けする第1回は、「一家5人が自衛官」の亀川ファミリーです。
 
父と3女1男が自衛官 亀川ファミリーのストーリー編
Chapter1「父の背中」
 
 まずは、こちらの写真をご覧いただきたい。

画像1: Chapter1「父の背中」|絆 ~家族のストーリー~

 これは、後列右端の亀川和成2海曹(海上自衛隊第5航空群勤務)のご家族の集合写真である。前列に並ぶ自衛隊の制服姿の女性3人は、和成2曹の娘さんたち(右から長女、三女、次女)。白が海上自衛隊、濃緑色が陸上自衛隊の制服である。さらに、後列に並ぶスーツ姿の2人の息子さん(右が長男、左が次男)のうち、長男がこの春、陸上自衛隊に入隊。一家5人が自衛官となった(次男は現在、高校生)。後列の女性は和成2曹の奥様。前列で子供を抱いているのは、次女の旦那様(玉城さん)である。

 子供たちが親と同じ職業を選ぶ場合、かなりの確率で、どこかに「親への尊敬の念」や「憧れ」がある。亀川家の場合はどうだろうか? そこで子供たちに、父親の存在と入隊の関係について聞いてみた。

長女・華佳(はるか)
「子供の頃は、とても厳しく、怖い存在でしたが、父の姿に憧れて、父と同じ海上自衛隊への入隊を決めました」

次女・愛佳(あすか)
「厳しくもやさしく、自分を曲げない、芯の強い人です。父や伯父(和成2曹の兄)が自衛官で、その姿がかっこよく、自分も父たちのようになりたいと思いました」

三女・優佳(ゆうか)
「少し怖くて、何でも知っている最強父ちゃんです。父の制服姿がとても印象的でした。父は私の人生の目標であり、父を超えたいと思い海上自衛隊に入隊しました」

長男・天海(たかみ)
「小さい頃の自分にとって、父は目標でした。今も目標であることは変わらないですが、あの頃はけがをした時の処置ができ、自分が分からない問題も解くことができるなど、いろいろなことができるすごい人だと思っていました。自衛官になろうと思ったのは、やはり父の影響が大きいです」

 4人の子供たちは、みんな父の姿を見て自衛官を志したようだ。3人の娘が「厳しい」「怖い」というワードを出していることから、娘にデレデレの甘いお父さんでなかったことが分かるが、それでもこれだけ子供たちから尊敬や憧れのまなざしを向けられるのはすごいこと。世のお父さんの多くは、「うらやましい」と思っているに違いない。

子供たちを「背中で」自衛隊へと導いた亀川和成2海曹

画像2: Chapter1「父の背中」|絆 ~家族のストーリー~

 では、子どもたちに大きな背中を見せ、結果的に自衛隊へと導いた和成2曹とは、どんな人なのか? 限られた質問ではあるが、その自衛官人生を探ってみることにしよう。

 まずは、自衛官になったきっかけから。

「父と二人の兄が自衛官だったことで、高校時代に自衛隊の職務について話を聞く機会があり、誇りが持てる仕事だと感じた。そんなときに、海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島)の見学でP2J(対潜哨戒機)に体験搭乗し、航空機に携わる仕事に憧れたことがきっかけになった」

 なんと、ここで和成2曹の父と二人の兄も自衛官という事実が判明する。父と次兄はすでに退職しているが元陸上自衛官、長兄は現役の海上自衛官(海曹長)だそうだ。次女の入隊理由として、「父や伯父が自衛官で、その姿がかっこよく、自分も父たちのようになりたいと思いました」という言葉を紹介したが、その「かっこいい伯父さん」が現役の海上自衛官なのだろう。

 そして、入隊の大きなきっかけになったのは体験搭乗。現在、こうしたイベントがコロナ禍でなかなか実施できない状況が続いているが、今も昔も、自衛隊の雰囲気を知ってもらうためには重要かつ有効な広報活動であることを再認識させられた。

画像3: Chapter1「父の背中」|絆 ~家族のストーリー~

 和成2曹は宮崎県生まれの47歳。1992年(平成4年)、佐世保教育隊に第2期海曹候補士で入隊している。ちなみに、こちらが入隊当時の写真である。

画像4: Chapter1「父の背中」|絆 ~家族のストーリー~

 前列で表彰状を手に持っているのが和成2曹。現在の写真を見ればお分かりの通り、とてもダンディな男性であるが、この写真でも一人だけ前髪を少したらし、精悍さの中におしゃれな雰囲気を漂わせている。

 和成2曹の主な経歴は次の通り。

平成 4年 8月第5支援整備隊 武器整備隊 武器班(那覇)
平成 5年 1月第3術科学校 0404期 海士航空武器整備課程(下総)
平成 9年 3月第1支援整備隊 武器整備隊 武器班(鹿屋)
平成12年 3月第5整備補給隊 武器整備隊 武器班(那覇)
平成14年 1月第3術科学校 1304期 海曹航空武器整備課程(下総)
令和2年9月~12月第40次派遣海賊対処行動航空隊 整備補給隊(ジブチ)

 自衛官として30年のキャリアを持ち、海外派遣も経験。現在は沖縄県の那覇航空基地に所在する海上自衛隊5航空群5整備補給隊武器整備隊武器班で、主にP3C型哨戒機(哨戒機とは海洋の警戒や偵察などを行う航空機のこと)に取り付けられている武装機器の整備、航空機への弾薬搭載などを担当している。

 家庭では「頼もしく、何でも知ってる最強父ちゃん」である和成2曹は、部隊でも自分の子供たちと同年代の若い隊員たちのよき指導役も果たしている。

画像: 勤務中の亀川和成2曹。厳しくも温かい目で若い隊員に接している

勤務中の亀川和成2曹。厳しくも温かい目で若い隊員に接している

画像5: Chapter1「父の背中」|絆 ~家族のストーリー~
画像: 若い隊員に弾薬搭載訓練用のダミー弾の点検方法を教える和成2曹

若い隊員に弾薬搭載訓練用のダミー弾の点検方法を教える和成2曹

 次回から、その和成2曹を筆頭に、3女1男が自衛官となった家族の物語を紹介します。

 ▷▷ 次回は、自衛官ファミリーを支える奥様と、最初に入隊した次女・愛佳陸士長にお話しを伺います(会員限定コンテンツ)。

▷第1話 第2話 第3話 第4話


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