今回は自衛隊徒手格闘技をベースとしたavoid self defence system(アボイド・セルフディフェンスシステム)を主催する防犯·危機回避専門家の佐方健二氏にインタビューした内容をお届けします

 コロナ禍において犯罪率は低下していると言います。しかし一方では犯罪の凶悪化、犯行スタイルの変化があると感じられます。
 その中で防犯・危機回避についてどのような課題があり、どう対応していけばいいのかお聞きしてきました。

プロフィール

佐方健二

1972年東京生まれ
幼き頃より剣道の師範である父より武術を学ぶ。習志野自衛隊外部道場にて自衛隊徒手格闘技を習得。国際統合徒手格闘技連盟健武会として独立。独立後はアマ・プロ格闘技選手の育成を行う。
自衛隊徒手格闘技をベースとし、セルフディフェンスに特化した体術avoid self defence systemを創始。

一般社団法人 日本防犯危機回避協会 代表理事
自衛隊国際統合徒手格闘技連盟 健武会 代表
総合防犯護身用品販売「avoid 」代表
危機回避型格闘技「avoid」代表
ファイティングピラティス 主催

・防犯設備士
・自衛隊徒手格闘技 参段
・実戦空手木村道場 六段
・BESJマットピラティス 
 公認インストラクター
・Body Code System公認
 マスターストレッチインストラクター
・日本エン・スポータブル協会公認 トリガーポイント社グリッドフォームローラーインストラクター

防犯の実情

―本日はお時間いたただきありがとうございます。早速ですが現在、犯罪の実情はどうなっているのか、お聞かせください。

佐方氏:2020年から新型コロナウイルス感染拡大と共に社会が大きく変化しています。感染防止対策としてリモートなどの非接触社会が広がりを見せる中、日本国民の生活スタイルや生活パターンも大きく変化しました。
その変化によって犯罪のパターンも変わりつつあります。
コロナ禍で窃盗や空き巣などの犯罪率は減少していますが、一方で点検業者を装い自宅に上がり込んでくる「訪問盗」や通販やデリバリーを使う人が増加した為に配送業者を装ってマンション敷地内などに侵入してくるなど犯罪スタイルの変化が見られます。

防犯についての課題

―犯罪率は減少する中で、犯罪スタイルは変化している‥訪問や侵入など聞いているだけで恐怖を感じますが、その中で防犯における課題はありますか?

佐方氏:それは警察や警備を呼ぶ前に起こり得る危機的状況への対応と言う考え方です。
長年日本では避けられていた課題と言っても過言ではありません。

先ほどの犯罪スタイルの変化に伴い、直接的に犯罪者と向かい合うリスク増加が懸念されます。つまり自身を守る護身に加え家族や友人、大切な人を守るような複雑で直接的な防犯対策への実践課題があります。

また犯罪の凶悪化・無差別化に伴い、病院や保育園、店舗や会社そして公共施設全般など多くの人が集まる現場に応じた防犯対策を牽引する人材育成の課題もあります。

―警察や警備が来る前にどう個人が対応するべきか、また多くの人が集まる場所での犯罪未然防止、つまり危機回避能力を持った人材が必要という事ですね。

危機回避に最も大切なこと

―自分だけでなく大切な人を守るために危機回避に最も大切なこととは何でしょうか?

佐方氏:一言で表すと「熱量」です。
熱量は自分に近くなるほど大きくなります。
自身、家族、友達、知り合い、職務的な対象者、通りがかりの人‥個人によって多少順番は変わります。

突発的な危機に対して熱量の大きい対象では素手でも向かって行きやすく、熱量の小さい対象では、なるべく関わらないのが現実です。

つまり危機回避における「熱量」とは、命をかけられる覚悟の大きさであり、守るべき対象への「想いの強さ」に他なりません。
この熱量の違いで対象者が守られる可能性が大きく変わります。
自身を守るだけではなく誰かを守るためにも、利己的でなく利他的な精神を持つことが大切です。

―自分だけでなく他の人への想いこそ危機回避の原動力になる‥コロナ禍で以前と比べ、人と直接触れ合う機会が少なくなった今だからこそ今一度意識したいことですね。

防犯における課題解決に向けて

ー犯罪未然防止やいざという時の危機回避を実現するため、課題解決に向けて必要なことを教えてください。

佐方氏:いざと言う時にじぶんと大切な人をいかに守るか、個人の防犯力の向上と企業を含めた社会全体の防犯力の向上が必要です。そのために私を含め防犯・危機回避の専門家が防犯への考え方、知識、技術を涵養させていくことが求められていくと考えます。
具体的にはコロナ禍の現在、そして今後訪れるアフターコロナの社会では個人と企業の防犯意識の差は縮まり、防犯·護身用品のトレーニングを含めた防犯・護身指導、さらには法律面の相談や警備·警護の提供が身近になり、個人を含め企業·地域での防犯対策の立案等、防犯基盤の底上げが必要さを増していきます。

中でも信頼性を裏付ける意味において個人レベルでの反社チェックは最も身近なニューノーマルになると思います。

また資格制度を設ける事で高水準の防犯アドバイザーの育成を行います。防犯アドバイザーは人材育成の課題解決につながるだけでなく、自身や家族、地域そして社会へ防犯面で貢献しうる力になると考えています。

―その時々によって変化する犯罪を防止し、対応していく為には個人だけでなく、社会全体での防犯力向上とそれを支える基盤づくりが必要になってくると言うことですね。本日はインタビューを受けていただき誠にありがとうございました。

佐方氏:こちらこそ、ありがとうございました。

▼関連リンク
日本防犯危機回避協会

インタビューを終えて

危機的状況を回避するには精神面と身体的な能力も必要ですが、何よりも大切な人に対する想い。またその強さ(熱量)を持ち続けることが危機回避においての極意ではないかと感じました。これは防災においても同じであり、防災への考え方、行動の本質は「大切な人への想い」にほかなりません。

激しく変化する令和の時代、防犯においてもその考え方を変えていく必要があるのではないでしょうか。

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