「みんなのひろば」は自衛隊員や隊員の家族、自衛隊に協力している方々などの手記をご紹介しています。本日紹介するのは、42即応機動連隊機動戦闘車隊に配属された山畑光世陸士長です。

今度は自分が人のために
山畑 光世 陸士長(北熊本駐屯地 第42即応機動連隊)

 平成28年4月16日深夜、当時高校生だった私は、前日に起きた地震のこともすっかり忘れて眠りにつき、突然、大きな揺れに襲われ、恐怖で一瞬のうちに目が覚めました。あの時のことがいまだに鮮明に脳裏に焼き付いています。

 私の実家は熊本県小国町で、近所の家々が倒壊し、土砂崩れや亀裂により道路が寸断される大きな被害を受けました。自分を含めて家族全員無事でしたが、ライフラインは全て使用不能な状態となり、避難所と自宅を行き来する生活が始まりました。

 その際、陸自の皆さんが災害派遣活動などで活躍されている姿を見て、夢と希望を持ち続けることができました。私自身が陸上自衛官となって、今度は自分が人のために力を尽したいと思い、それが入隊の動機となりました。

 平成29年3月、夢と希望を抱き陸自に入隊。新隊員教育を経て42即応機動連隊機動戦闘車隊に配属され、機動戦闘車の装填手として勤務しています。慣れない勤務・訓練などに戸惑いながらも、日々の積み重ねで自らの成長を肌で感じ、充実した勤務ができるようになりました。

 令和2年7月豪雨で初めて災害派遣に出動しました。芦北町の被災地に到着した頃には、すでに球磨川の氾濫により多くの家屋が倒壊し、行方不明者も多数発生していました。悪天候の中での行方不明者の捜索、瓦礫や土砂の撤去など、心身ともに極限状態で疲労困憊でした。

 そんな中、熊本地震で陸自の皆さんに助けていただいたことを思い出し、また、被災された方のことを思うと疲労も吹き飛びました。必死に任務にあたり、少しでも人のためになることが、自衛隊への恩返しになると思いました。

 約1カ月間の活動で、人命救助や災害復旧の役に立てたことを誇りに思います。今後も今回の災害派遣のことを忘れず勤務していきたいと思います。 

画像: 山畑 光世 陸士長

山畑 光世 陸士長


◆関連リンク
陸上自衛隊 第42即応機動連隊
https://www.mod.go.jp/gsdf/wae/8d/butai/42rdr.html



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