【山形】神町駐6施設大隊(大隊長・初澤2陸佐)は2月4日と15、16の3日間、同駐西訓練場で令和2年度「大隊冬季戦技競技会」を実施した。冬季における行動能力の向上とともに、中隊の団結強化や士気高揚、闘争心の涵養を図るのが目的。

 統裁官は、「中隊一丸となり勝利を追求せよ」「安全管理を徹底せよ」―の2点を要望した上で、「これまでの練成成果を存分に発揮し、中隊のため、仲間のため、また自らのために全力を尽くしてもらいたい」と訓示した。

 競技会は個人機動、部隊機動、アキオ曳行、階級別リレーの4種目で実施され、各中隊は優勝を目指して競い合った。

 個人機動では、背のうを身につけた選手たちが、スタートの合図と同時に勢いよく飛び出し、全力でコースを滑走した。一方、団体種目に出場した精鋭たちは、中隊の期待を背負い、盛大な声援を受けてチームの仲間同士で鼓舞し合いながら、気迫あふれる激走を見せた。

 結果は、部隊機動は3中隊、アキオ曳行は本部管理中隊、階級別リレーは本部管理中隊がそれぞれ制し、激戦の末、高いスキー技術を発揮した本部管理中隊が悲願の総合優勝を果たした。

 個人機動は年代別などでタイムを競い、各部門で8人の隊員が栄えある1位に輝いた。

 6施大は「積雪寒冷地に所在する部隊として、任務遂行に欠かすことのできない冬季戦技能力にさらに磨きをかけ、情熱を堅持して邁進する」としている。

画像: 総合優勝した本部管理中隊

総合優勝した本部管理中隊

画像: 個人機動の部:懸命に滑走する女性自衛官

個人機動の部:懸命に滑走する女性自衛官

画像: 個人機動の部:ゴール前、最後のスパート

個人機動の部:ゴール前、最後のスパート

画像: 部隊機動の部:中隊の期待を背負いスタート

部隊機動の部:中隊の期待を背負いスタート

画像: 部隊機動の部:きつい上り坂も力強く

部隊機動の部:きつい上り坂も力強く

画像: アキオ曳行の部:チーム一丸、気持ちを一つに

アキオ曳行の部:チーム一丸、気持ちを一つに

画像: アキオ曳行の部:仲間同士鼓舞しあいながら

アキオ曳行の部:仲間同士鼓舞しあいながら

画像: 階級別リレーの部:気迫溢れる激走

階級別リレーの部:気迫溢れる激走


 大隊冬季戦技競技会に参加した隊員たちのコメントが寄せられましたので紹介します。

将来はスキー指導官として貢献
鈴木 歩 陸士長(第6施設大隊 第2中隊)

 2月4、15、16の3日間にわたり行われたスキー競技会に、部隊機動の部の選手として参加しました。部隊機動の部は、分隊長以下7人が1個チームとなり、分隊長が最後尾でゴールしたタイムが記録となるため、チームに遅い人がいると不利になってしまう種目です。  

 私は、 平地滑走が苦手なため、部隊機動の部の選手として選ばれたときは、もの凄いプレッシャーと不安を感じました。

 部隊機動の部に出場するにあたり、少しでもこうした不安を取り除けるよう練成し、チーム一丸となって大会に挑みました。

 滑走中、全身に疲労が蓄積し、何度も心が折れそうになりましたが、厳しかった練成を思い出し、つらい練成を共にした仲間がコースサイドから応援してくれたおかげで、最後まで滑りきることができました。

 自分がどんなに苦しい状況であっても、チームとしての一体感と、応援してくれる仲間の存在の大きさを感じ、団結の力を強く実感することができました。

 現在、特級スキー検定に向けて練成しており、スキー競技会で得た技術や経験を糧に、合格できるように励んでいます。将来的には、陸曹となり、目標としているスキー指導官として大隊に貢献できるよう、日々精進していきます。

画像: 鈴木 歩 陸士長

鈴木 歩 陸士長

同じ目標に向かえた
今田 翔也 陸士長(第6施設大隊 第3中隊)

 2月15、16の両日に行われた大隊冬季戦技競技会に、階級別リレーの選手として参加しました。

 中隊は優勝を目標に練成してきました。その中でも記憶に残っているのは、休日に向上心がある有志で実施した「子羊練成クラブ」です。大事な休日にもかかわらず、監督をはじめ練度の高い陸曹の方々が大切な休みを返上してまで私たち「子羊」に指導してくれました。そのおかげで中隊全体が底上げされ、より皆が同じ目標に向かっていけたと思います。

 そして迎えた競技会当日。1日目は個人機動、部隊機動、アキオ曵行が行われました。天候には恵まれませんでしたが、個人機動では、ほとんどの人が自己ベストを更新することができ、部隊機動では1位。アキオ曵行は惜しい結果に終わってしまいましたが、それぞれが練成成果を十分に発揮できたと思います。

 2日目。ついに自分の出番を迎え、とても緊張しました。中隊は、前日から良い流れで来ていたため、大きなプレッシャーを感じました。しかし、会場の声援の大きさや今までの練成を振り返ると、自然と力が湧いてきました。走っている最中も、途切れることない応援に応えようと、次の人にバトンタッチするまで頑張りましたが、1走目の中で3位とふがいない結果に終わってしまいました。

 階級別リレーの結果は3位で、目標だった優勝を達成することはできませんでしたが、1つの目標に向かってみんなで取り組む姿勢はどの中隊よりも強かったと思います。

 この練成で習得したスキー技術や団結力を生かし、さらにスキー技術の練度と中隊の団結力の向上を目指し、情熱を堅持して中隊の任務遂行に邁進(まいしん)していきます。

画像: 今田 翔也 陸士長

今田 翔也 陸士長

来年は優勝に貢献したい 人生初スキーは甘さを痛感
鈴木 辰 1陸士(第6施設大隊 第1中隊)

 スキーを滑るのが人生で初めてでしたが、ちょっと練成すれば簡単に滑ることができる、楽に滑走できると思っていました。

 しかし、令和2年度「冬季戦技競技会」に参加するにあたり行われた中隊での1回目のタイムトライアルで、記録は38分。自らの実力のなさと滑ることの難しさを知り、その考えの甘さを痛感しました。

 このままでは、中隊の足を引っ張ってしまうと思い、タイムが速い先輩方に速く滑るコツを聞き、少しでも速く走れるよう努力しました。

 その甲斐があって、競技会前最後のタイムトライアルでは23分台で滑走できるようになりました。速く滑走できたことにより、周りの先輩方から「いいぞ」「頑張ったな」など、たくさんの激励の言葉をかけていただきましたが、途中で歩いたり、転んでしまったりすることがあり、精神面、体力面、技術面でまだまだ未熟な部分があると思いました。

 本番では優勝が決まる階級別リレーの選手として出場しましたが、緊張のあまり練習通りの力が発揮できず、中隊に貢献することができませんでした。

 今年度は準優勝に終わってしまいましたが、来年度は体力練成を継続し、さらにスキー技術を向上させ、中隊の優勝に貢献できるように頑張ります。

画像: 鈴木 辰 1陸士

鈴木 辰 1陸士

 <防衛日報 2021年4月2日(金)2面>


◆関連リンク
陸上自衛隊 第6師団
第6施設大隊
https://www.mod.go.jp/gsdf/neae/6d/unit/6e.html

陸上自衛隊 神町駐屯地
https://www.mod.go.jp/gsdf/neae/6d/unit_hp/jinmachi_hp/index.html


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