ブルーインパルスが編隊で飛ぶ時の機体の間隔に注目してみましょう。先日の東京上空の感謝飛行では、ソーシャルディスタンスを保って幅広隊形で飛んだ、などとささやかれたものですが、実は皆さんが想像する以上に細やかに間隔が設定されているのです。

 航空自衛隊の基地(飛行場)で行われる航空祭では、時には翼と翼が重なり1メートル以下まで近づく密集隊形で、曲技飛行を行ないます。

 また、航空祭以外のイベントでも編隊連携機動飛行や航過飛行といった展示飛行のメニューがあり、そのどれをとっても、ブルーインパルスの機体間の間隔は、細かく段階をもって設定されているのです。

 さて、ブルーインパルスの機体の間隔は6段階設定されています。以下に記した6段階は、上から順に機体の間隔が広くなっていきます。それぞれアルファ隊形からワイド隊形まで間隔毎の名前で呼ばれます。

①A(アルファ)

画像: A隊形は最も密集した隊形で、翼が重なる「ファンブレーク」の間隔

A隊形は最も密集した隊形で、翼が重なる「ファンブレーク」の間隔

②B(ブラボー)

画像: Bは「チェンジオーバーターン」や「トレールトゥダイヤモンドロール」時の最後収束した隊形の間隔

Bは「チェンジオーバーターン」や「トレールトゥダイヤモンドロール」時の最後収束した隊形の間隔

③C(チャーリー)

画像: Cは最も基本となる間隔

Cは最も基本となる間隔

④ベスト

画像: ベストは、写真のダーティローパス後、ギヤ・フラップをクリーンアップする時や舞台裏でコントロールチェックを実施する時の間隔

ベストは、写真のダーティローパス後、ギヤ・フラップをクリーンアップする時や舞台裏でコントロールチェックを実施する時の間隔

⑤E(エコー)

画像: 六機一斉にエルロンロールするボントンロールの間隔。

六機一斉にエルロンロールするボントンロールの間隔。

⑥W(ワイド)

画像: 「ワイドトゥデルタループ」進入時の間隔

「ワイドトゥデルタループ」進入時の間隔

 これらの隊形(間隔)は各機の位置にどの距離が一番見栄えが良いかを、地上からビデオ撮影し、みんなで研究しながら決めていったそうです。

 先日の感謝飛行はE隊形でした。これはソーシャルディスタンスを表現するためとの説もありますし、幅広隊形で遠くからでも見えやすいようにしたからとも考えられます。当日はスカイツリーの倍の高度で飛んだブルーインパルス。まっすぐに飛んでるだけに見えても、見栄えや安全性を熟慮して展示飛行が構成されているのです。

画像: ⑥W(ワイド)

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