航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が5月29日、新型コロナウイルス感染症の対応にあたる医療従事者への敬意と感謝を表そうと、東京都心部上空で航過飛行を披露すると聞き、感染症指定医療機関としてコロナと戦う東京都世田谷区にある自衛隊中央病院の医師や看護師らとともに都内の上空を見上げた。(自衛隊中央病院発・特派員=ボエマル)
圧倒的な飛行技術を誇るブルーインパルスは、泣く子も黙る存在。自衛隊ファンのみならず、老若男女を問わず、日本国民のあこがれの存在だ。略称では「ブルー」とか「ブルイン」と言われているが、どちらかを選べと言うならボエマルとしては断然、ブルイン派。なぜなら自分と同じ4文字だから。やっぱり、4文字がカッコいいだろ?というわけで、以下はブルインと呼ばせてもらおう。
今夏に予定されていた東京オリンピック・パラリンピックの開会式では、ブルインが東京の空にスモークで五輪のマークを描くはずだったが、残念ながら中止に。そんな中、急きょ決まった今回のブルインフライト!いやー、ホント、マジで、超・ウルトラ・スーパーうれしい。自衛隊中央病院の屋上では、ブルインの飛来を待つ医療従事者たちの表情に期待感いっぱいの笑顔が浮かぶ。日ごろは新型コロナウイルスと対峙する皆さん、ブルインより一足早く、ボエマルからひと言、言わせてもらいます。心からありがとうございます。
空自入間基地をテイクオフ(離陸)したブルイン6機。指揮を執るのは編隊長の遠渡祐樹2空佐。午後0時40分、板橋上空から約4000㌳(約1219㍍)の高度で東京都心に入り、白いスモークで青空に6本のラインを描きながら進み、一糸乱れぬ動きで、都立駒込病院、都立墨東病院、荏原病院、自衛隊中央病院の順に巡った。ブルインが姿を現した瞬間、まるで疫病から民を救おうと尽力する江戸の町医者たちに感謝を示す「僧侶の行脚」のように思え、思わず手を合わせる自分がいた。
今回のフライトでは、6機が撮影機1機とともに感染症指定医療機関のほかに、東京スカイツリー、JR東京駅、われらが防衛省、都庁など、都内の主要施設の上空も飛行した。約20分の大空の舞を多くの医療従事者や都民らが見守った。ブルイン、最高だったぜ!
ブルインの飛行について、河野防衛大臣は6月2日の記者会見で、米国やイタリアの空軍機が医療関係者に敬意と感謝を示す展示飛行を行ったことに言及し、その上で、「同じようなことができないか航空自衛隊に検討を求めた」と説明。その結果、ちょうど5月いっぱいでブルインの6機体制が終わることもあり、都心上空を6機で飛行する案が示されたと明かした。6機体制の花道ともなったわけだ。さすが~太郎大臣!いい仕事するよね。
自衛隊中央病院長の上部泰秀技官は、「勤務員の喜ぶ姿を久しぶりに見た気がします。これからも続く新型コロナウイルス対応への励みになったと思います」とコメント。同病院看護部長の大石真由美1陸佐は、「自然と笑顔になって皆で手を振っていました。これからも上を向き、私たちにできることを頑張っていきます」と決意を示し、職場に戻っていった。
ボエマルも、これからも医療従事者の皆さんへの感謝を忘れはしないぜ。このコロナ禍、一人ひとりができることをして、乗り切ろう!
※2020.6.30 記事公開後、一部誤字や表記を修正致しました