画像: 新年のご挨拶|統合幕僚長 海将 河野克俊

 平成31年の初春を迎え、防衛日報読者の皆様に謹んで新年のご挨拶を申し上げます。また、旧年中に賜りましたご支援・ご協力に対し、心より厚く御礼申し上げます。

 さて、わが国を取り巻く昨今の安全保障環境は、様々な課題や不安定要因がより顕在化・先鋭化してきており、一層厳しさを増しております。そのような中、自衛隊は、365日24時間態勢で警戒監視を行い事態に即応できる態勢を維持しています。

 また、昨年は、「平成30年7月豪雨」及び「平成30年北海道胆振東部地震」等の災害発生に際し、人命救助及び、給水支援等各種の災害派遣活動を実施したほか、国際社会と連携し、国連安保理決議の実効性確保のため、北朝鮮による「瀬取り」の監視活動に取り組みました。

 国外においては、インドネシア共和国スラウェシ島において地震及び津波により発生した被害に対し国際緊急援助隊を派遣、また、ソマリア沖・アデン湾においては、海賊対処を実施し、引き続き海上交通路における航行の安全確保、国際社会の平和と安定に貢献しております。

 統合訓練においては、平成30年日米共同統合演習、自衛隊統合防災演習、タイ王国におけるコブラ・ゴールド等の訓練を通じ、武力攻撃事態等への対処、大規模災害への対処等における統合運用要領を演練し、実効性の更なる向上を図っております。

 また、米統合参謀本部議長やインド太平洋軍司令官との会談を重ね、日米間の緊密な連携を図るとともに、豪印をはじめとする関係各国との防衛協力・交流を実施しました。

 昨年末には新たな防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画が示されました。今年は、各種事態に対応し得るよう、この新大綱及び中期防を踏まえ、陸海空のみならず、宇宙、サイバー及び電磁波といった新たな領域を組み合わせた領域横断作戦を遂行するための機能及び能力を向上し「多次元統合防衛力」の構築を着実に進めてまいります。

 一方で、昨年生起させました、民間の方々に被害を及ぼすという、自衛隊としてあってはならない事故に対する痛切な反省を踏まえ、安全管理に対する指導と再発防止策の徹底を図ってまいります。

 我々自衛隊は、国民の皆様の期待に応え得るよう、各自衛隊が心を一つにして統合運用をさらに進化させ、事態に即応し実効的に対応できる態勢を維持していく所存です。

 最後になりましたが、防衛日報読者の皆様の変わらぬご支援・ご協力を賜ることをお願い申し上げますとともに、皆様のご健勝とご多幸を心より御祈念申し上げます。


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